凍結肩(五十肩)に対するサイレントマニピュレーション

サイレントマニピュレーションとは

凍結肩(いわゆる五十肩)は、肩関節の関節包が硬くなることで痛みや可動域制限を生じる疾患です。

従来は「1~2年で自然に改善する」と言われることが多い疾患ですが、近年の研究では長期的に痛みや可動域制限が残る患者さんも一定数いることが報告されています。

サイレントマニピュレーションは、エコーで確認しながらブロックを行い、痛みを抑えた状態で関節の拘縮をやさしく解除する治療の呼称です。正式な呼称は腕神経叢ブロック(斜角筋間アプローチ)下で行う非観血的授動術といいます。

当院では麻酔科指導医・ペインクリニック専門医である副院長の管理のもと、肩関節外科を専門としてきた院長が施行しています。


このような方に適しています

以下のような患者さんに検討される治療です。

  • 五十肩で肩が上がらない
  • 夜間痛が続いている
  • リハビリや内服治療でも改善が乏しい
  • 日常生活に支障がある

治療の特徴

サイレントマニピュレーションには以下の特徴があります。

  • 手術を行わずに拘縮を改善できる可能性がある
  • 治療時間は1時間程度
  • 入院は不要で外来で施行可能
  • その後リハビリを併用することで可動域改善を目指す

治療後について

治療後は関節の再拘縮を防ぐため、リハビリテーションを継続することが重要です。
多くの場合、可動域や痛みの改善が期待できますが、症状や拘縮の程度によって改善の程度には個人差があります。


注意点

以下のような合併症の可能性があります。

  • 授動術後の痛み(麻酔薬と先回り疼痛管理の工夫を行っています)
  • 血腫
  • 稀に腱板損傷や骨折、脱臼など

当院ではAIが搭載されたエコーを用い、安全性に十分配慮して施行しています。

よくある質問

Q. サイレントマニピュレーションとはどのような治療ですか?

肩から上肢にかけて神経ブロックを行い、痛みを抑えた状態で肩関節を動かし、硬くなった関節包の拘縮を改善する治療です。
日帰りで行うことができ、凍結肩(五十肩)で可動域制限が強い場合に検討される治療法です。


Q. 治療は痛いですか?

処置の前に肩から上肢にかけて神経ブロックを行うため、処置中の痛みはほとんどありません。
処置後に数日程度の痛みや違和感が出ることがあります。


Q. ブロックは痛いですか?

AI搭載のエコーを使用して行います。局所麻酔もしますので「少し押される感じ」と感じることが多いようです。


Q. 入院は必要ですか?

入院の必要はなく、日帰りで行う処置です。
処置後は一定時間院内で経過を観察してから帰宅していただきます。


Q. 治療後すぐに肩は動くようになりますか?

処置後に可動域が改善することが多いですが、再び硬くならないようにリハビリテーションを継続することが重要です。


Q. 治療当日に車の運転はできますか?

肩から上肢にかけて神経ブロックを行うため、処置当日の車やバイクの運転はできません
公共交通機関や付き添いの方の送迎をご利用ください。


Q. すべての五十肩に行う治療ですか?

すべての患者さんに必要な治療ではありません。
多くの場合はリハビリや薬物療法で改善しますが、可動域制限が強く改善が乏しい場合に検討される治療です。

重度の糖尿病や骨粗鬆症がある場合は適応にならないことがあります。


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