関節リウマチは自己免疫疾患の1つで、手指や足、肩・膝など全身の関節に腫れや痛みが生じます。国内では患者数が80万人と推定されており、リウマチ性疾患のなかでは最も患者さんが多い疾患です。

女性が男性の4倍多く、発症のピークは30~50歳代とされていますが、高齢になってからの発症も見受けられます。

手指のこわばり、腫脹で初発することが多く、関節の滑膜に炎症が起き、進行すると軟骨や骨まで破壊され、関節が変形してしまいますので早期に診断・治療をしていくことが重要です。。ごく初期にはレントゲン変化が出ていないことも多くMRIで骨の浮腫や関節内の腫脹、エコーでの滑膜炎を確認します。採血のみでリウマチの診断はせず総合的に判断していきます。

私が医師になった2000年当時とその後の20年でもっとも治療が変わった整形外科診療がリウマチかもしれません。

研修医当時はまだステロイドと金製剤のみなどの治療を長年うけられており、関節破壊が進み車椅子となっている患者さんを多く見てきました。

1999年よりメソトレキセート(リウマトレックス)が関節リウマチ患者さんに使用されるようになり現在は治療の中心となるアンカードラッグです。これによりステロイドが短期間の限定使用もしくはごく少量の使用ですみ、関節破壊を抑えることができるようになりました。

更に2003年より生物学製剤が認可され、患者さんによってはほぼ寛解状態を維持できるようになっています。

メソトレキセート(リウマトレックス)に加え、レミケードやエンブレルなどの生物学的製剤を含めた薬物療法を行いますが、併存しているご病気が多い場合はリウマチ内科医師への受診をお勧めする場合があります。

膝や股関節、肩関節などの大きな関節の関節破壊は随分と抑えられますが、一方で手指や足趾などの小関節の変形などはいまだ手術療法が必要なことも多いと言われています。手術が必要な場合はそれぞれの専門医に紹介させていただきます。